第7章
「警察署長の倉田」は、壇上を守るために銃を抜くことはしなかった。重たい拳銃ベルトのバックルを外し、アスファルトに落として、脇へ退いた。
群衆の底のほうでうごめいていた低く危険な唸りが、一気に耳をつんざく咆哮へと爆発した。
頭上の発光画面には、行方不明の姪の顔写真がはっきりと映し出されている。金物屋の店主――その男が、舞台へ躍り上がった。怒鳴りもしない。説明を求めもしない。ただ、鋼鉄芯入りの作業靴を大輔の顎に叩き込んだ。
血しぶきが、彩色された木の板の上へ散った。大輔は崩れ落ち、歯を吐き出した。
そして、町じゅうが雪崩れ込んだ。
何十人もの男たちが壇上へ殺到する。完璧で傲...
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