第10章

病院の消毒液の匂いが、鼻腔を灼く。回復した五感が生み出す不便さだ。

警察から連絡を受けて駆けつけた時、このような『サプライズ』が待っているとは思いもしなかった。

佐藤友明は病床に横たわり、その姿は惨不忍睹たるものだった。顔は見る影もなく崩れ、右脚は太腿の付け根から食い千切られ、白骨だけが森然と覗いている。

医師たちが彼を取り囲み忙しなく立ち働いているが、その眼差しには困惑の色が浮かんでいた——どんな野獣でも、このような傷は付けられない。

私は口を覆い、甲高い嗚咽を漏らし、今にも卒倒しそうな様子を演じてみせた。

隣に立つ警察官が、慰めるように私の肩を軽く叩く。なんて思いや...

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