第6章

私は佐藤の父の仏壇の前に立ち、姑の恵子が泣き崩れる様を見つめていた。

その縦横に皺の刻まれた顔は、蝋燭の光に照らされ、ひときわ老けて見える。四年前、祖母の涙の訴えを前にした彼女は、これほどの悲痛な表情は見せなかった。

「お悔やみ申し上げます」

私は熱いお茶を差し出し、そっと慰めの言葉をかけた。

そんなに悲しむ必要はありませんよ。

どうせ、すぐにあなたの番なのですから。

その時、私は異変を感じた。両足から急に力が抜け、まるで骨髄を抜き取られたかのようだ。

私は仏壇の前に崩れ落ち、参列者たちの驚きの声が上がった。

「怨霊体め、どこへ逃げる!」

見知らぬ男の声が人...

ログインして続きを読む