第百四章

リード視点

この場所に関する情報を入手したとき、俺はそれが無駄骨だと感じ、戴冠式の準備に時間を費やすことで、可能な限り引き延ばしていた。

思ったほど簡単ではなかった。兄がすでに同じプロセスを経験していることを考えれば、もっと楽なはずだったのだが。

だが、本来なら鉄壁であるべき王宮内の警備システムが崩壊しかけている中では、何もかもが困難だった。

奴らの拠点をいくつか制圧した後、俺たちはこの腐敗が王国の奥深くまで根を張っていること、そしてヴラドがこの反乱を突発的に起こしたわけではないことに気づいた。

奴は好機を窺っていたのだ。父の穏やかさが、奴に自由な裁量を与えてしまった。奴は父の長期に...

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