チャプターイレブン

鉤爪が腕に食い込むと同時に、私の口は声にならない悲鳴を上げて大きく開いた。男は私を地面から持ち上げ、その腕を体に回した。

離してくれることを期待して必死に蹴りつけ暴れたが、なんて甘い考えだったのだろう。彼はわざとこの罠を仕掛け、私はまんまと嵌ってしまったのだ。

もっとも、どのみち避けようがなかっただろう。私は全速力で、目的を果たすまで休まなかったのだから。

「ウェアウルフにしてはずいぶんと弱いな。もっと期待していたんだが」三階の廊下を引きずっていきながら、男はクスクスと笑った。

その言葉で、彼がエンフォーサーであり、私がどれだけ大声で叫んでも誰も助けに来ないということがわかった。

ど...

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