第百十四章

部屋中に息を呑む音が広がった。ライラでさえ、突然静かになった。

「緊急封鎖だ!」リードが命じると、その声が階段に響き渡った。

即座に、照明が徐々に暗くなり、宮殿の全ての出口が閉鎖されると、俺たちは闇に包まれた。

「この情報は、いかなる形であれ宮殿の外に漏らしてはならない」彼が唸るように言うと、状況を収拾しようとするその姿に俺のパニックは収まっていった。「彼女を上に連れて行け。ここは俺がなんとかする」そう言って、少し落ち着きを取り戻したライラを俺に手渡した。

彼女を抱いて階段を上りながら、リードが部屋にいる一人ひとりに強制暗示をかけ始めるのが聞こえた。今夜の出来事を全て忘れろ、と命じてい...

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