第百六十章

いつの間にか眠りに落ちてしまったようで、はっきりとは覚えていない。でも、目が覚めたとき、目の前にルシアンの熱く膨れ上がったものが突きつけられていたことだけは、鮮明に記憶している。

そして私たちは午後いっぱい、またお互いを夢中にさせ合い、狂おしい日常の中に、二人だけの楽園を築いた。

でも、誰かが宮殿への来客を告げるためにリードに連絡してきたとき、現実に引き戻された。

「到着したぞ」彼は私に微笑みかけながら言った。

「妹が? 早いのね!」私は叫び、ルシアンの甘い腕の中から飛び出した。

「ジェットで迎えに行かせた。ヴラドとマーティンが傷を癒している今、安全な場所なんてないからな」彼が答えた...

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