第十九章

重い心と痛む喉を抱えて、私は自室へと戻った。

ブロディ先生からどうしてそんなに上手いのかと問われたとき、答えられなかったことを思い出す。私は喉を指差して、何も言えないのだと伝えようとした。

先生は最初、理解できなかったようだった。すると、私たちが手当てしていた少女――奇跡的にも消耗しすぎてはいなかった彼女が、私が地下牢で拷問されたせいで話せないのだと教えてくれた。

「縄か?」先生にそう訊かれ、私は頷いた。

先生は口を開けるように身振りで示した。私は数秒ためらった後、それに従った。今日会ったばかりの見ず知らずの他人を信用すべきではない。でも、こんな機会は当分巡ってこないだろうことも分かっ...

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