チャプター・トゥエンド ✨

今や空っぽになった器から一歩後ずさると、安堵と恐怖が入り混じった圧倒的な感覚に襲われ、私は息を呑んだ。

「やったじゃない!」ヘメラが喝采を送る。その明るい態度は、先ほどまでとは打って変わって衝撃的ですらあった。

「それで、これからどうなるの?私、本当に死んじゃったの?」

「あら、いいえ。すぐにはどこにも行かせないわ」と月の女神は答えた。「あなたを元の場所に戻す前に、その身体の準備が整っているか確かめないといけないの。でも……」彼女は言葉を切り、私に視線を向けさせた。

「何?」

「あなたがこれまで経験してきたことを考えると、どう思うか分からないけれど、ここの神々を大いに驚かせたのよ。彼...

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