第二百五章

ルシアン視点

これが夢ではないことを、俺はまだ願い、祈り続けていた。番である彼女が戻ってくるのをあまりにも長く待ち続けたせいで、今こうして彼女がここにいることが、信じがたいのだ。

彼女はとんでもなく色っぽくなっていて、内気な表情から大胆なそれへと一瞬で切り替わる様に、俺とリードは翻弄されっぱなしだった。

リードがドアを開けると、彼女は俺の首筋に顔を埋めた。案の定、俺の部下たちがうろついている。

外ではいかにもタフなふりをしているが、あの野郎どもはクソほど詮索好きなのだ。

「何を見てやがる?」リードが吠えると、連中は一瞬で姿を消した。

「ありがとう」隣でヴァイが息をつき、その華...

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