ニコライ ()

建物を出る際、グレッグに頷き、今度は広大な要塞を駆け抜けて自室へと向かった。

本来なら個室を与えられてもおかしくないほど長くここにいるにもかかわらず、他の兵士と兵舎を共有するには危険すぎると見なされ、俺は軍用品が保管されている冷たい倉庫に押し込められていた。俺を時限爆弾かのように扱っておきながら、こんな大量の武器の近くに置くなんて、正気の沙汰じゃない。

部屋に着くとドアを閉める。作業机の上では、母さんと一緒に写った写真がこちらを見つめていた。ここは、俺が昇級試験を控えた兵士たちに売るための攻撃プランを作成する場所だ。年に五人しか客は取らないが、彼らは必ず勝利を収めた。このことはできる限り秘...

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