エレノア

パパ・ルークは私を門の外で降ろし、私たちは無言で歩き始めた。向かう先は、城の前にできた小さな集落のすぐ裏に広がる、見慣れた景色だ。

陽が沈みかける頃、この村を歩くといつも決まって美しい光景が広がる。中央の小道の両脇には、労働者とその家族が住む、趣のある小さな家々が軒を連ねていた。

悲しいことに、この光景を見られるのは月に一度だけ。だから、本来の予定より二週間も早く目にできたことで、私の心は少しだけ安らいだ。

私のなかの狼と魔女は、まだ口をきいてくれない。コミュニケーション手段は、唸り声と、両者から絶えず送られてくるストレス信号だけ。でも、少なくとも、私を引き裂いて世界に襲いかかろうとした...