第二十四章

ヴァイオレット視点

日々の仕事に追われ、へとへとに疲れ果てているうちに、一週間はあっという間に過ぎ去った。

ルシアン王子の言いつけを真面目に守って、日が昇ってから寝るようにもなっていた。

言われた通りに一階を掃除していると、女主人様のヒールがこちらへ向かってくる、カツカツという音が聞こえてきた。

私は使用人たちの居住区から離れた場所にいた。いるのは建物の反対側、週に二度、王が公的な謁見を行う場所だった。彼はひどい人物ではあったけれど、私が見る限り、優れた王でもあった。彼の行いは、他の種族にどんな影響を及ぼそうとも、すべては自らの民の生存のためであり、それは憎むべきことではあったけれど、その...

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