チャプター 266

会議が終わるとすぐにザンダーを迎えに急ぎ、自分の部屋に連れて戻ると、そこではニックが何かを書きつけていた。

彼が私を助けてくれた時のことを思い出す。あの時も彼は何かを書いていた。私たちは声を出して話せなかったので筆談していたのだが、私は彼の美しい筆跡に見とれていて、紙に何が書かれているのかはさっぱり分からなかったのだ。

再び彼の肩越しに覗き込む。私の指はザンダーの小さな口に含まれていて、彼は大人のヴァンパイアも顔負けの勢いでそれを吸っていた。でも気にならない。それは彼が危険な状態を無事に脱したという証拠だし、願わくば、このすべてが一、二週間で終わってくれればいい。

「そろそろトレーニング...

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