チャプター・トゥエンティ_セブン

翌朝、目が覚めても、彼のそばに近寄る気には到底なれなかった。

自分が間抜けに思えた。ついさっきまで彼の存在も行動も憎んでいたのに、昼日中、彼が部屋に姿を現した途端、思考が停止してしまうなんて。

ベッドから足を振り下ろしたとき、怒りのあまり怪我をしそうになった。

彼がこの部屋にいたせいで、もう自分の部屋ではないような気がした。激しい怒りを感じるべきなのに、代わりにそわそわして落ち着かず、おまけに、もっと彼のそばにいたいなんていう、いまいましい衝動まで覚えていたのだ。

その感覚がすべて消え去った今、私は自分自身に失望していた。たとえ催眠状態にあったとしても、このヴァンパイアには共感も良心も...

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