第二十七章

ニコライ視点

俺は自分に従う二十人の部隊を見渡し、思わず頬をつねった。

ほんの数ヶ月前まで、俺は何者でもなかった。封じられた力と知識を持つ、誰からも嫌われる役立たずの弱虫だったのだ。

それが今では?

今、俺には自分の物語を書き換えるチャンスがある。名を上げ、父が俺の存在に塗りつけた汚名をそそぐチャンスが。

俺たちはポータルのそばに立っていた。ケリーは俺のメイトの携帯電話で時間を確認しながら、まだ手を空中に掲げている。

彼女は戦えないが、その役割は極めて重要だったため、ヘイゼルが彼女を透明化して助けることになっていた。

動きが一秒遅れるだけで死に至ることもある。それを防ぐのが彼女の...

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