第三十一章

明るく照らされた部屋を覗き込み、息を呑んだ。部屋中に設置された膨大な量の科学機器に。今まで見た中で最大規模だった。高校時代、こういうものに夢中だったことを思い出す。

魅せられるように部屋へ足を踏み入れようとしたが、そのとき思い出した。自分がどこにいて、今の自分が何者で、この状況がいかに間違っているかを。もし彼のオフィスを嗅ぎ回っているところを見つかったら、次も毛布や枕を持ってきてくれるとは思えない。

すぐにドアを閉めると、別のドアが開いた。心臓が激しく脈打ち始める。見つかるかもしれないという恐怖で、体がこわばった。

「何を探してる?」

「トイレを」部屋に漂う緊張感でじっとりと汗ばんだ手...

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