第四十七章

ルシアン王子

「いや、いや、いやだ! 彼女が死んだなんて、そんなことあるかよ、クソが!」俺は兄の血まみれの口から彼女を引きずり離しながら叫んだ。兄は自分がしでかしたことに気づき、目を見開いていた。

俺は副作用の可能性を心配するどころか、実験が成功することなど完全に諦めていたのだ。

俺は、自分の血管にウイルスが存在しない、新鮮な状態の彼女の血を採取した。その血が俺の体と作用し、免疫系が戦う準備を整える時間があった。

だが、リードの場合は全く違った。ウイルスの活発な力が彼女の血中にある抗体と戦い、抗体をより強力なものにしてしまったのだ。最終的には彼が勝ち、俺が王として戴冠される最中...

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