第六章

ドアを確認しに行こうとしたが、ドリタに先を越された。私はドアの後ろにあった椅子に腰を下ろす。

彼女がドアを開けると、ヘアセットの道具を手に、目にパニックを浮かべて入ってきた。

何があったのかと尋ねるより先に、外から聞こえてきた声が私の全身にパニックを走らせた。

「彼女に会いたい。なぜ入り口を塞ぐ?」ルシアン王が、ドアの真ん前に立ちはだかるドリーに尋ねた。

『どうして彼が来るのに気づかなかったの!?』ライラが頭の中で叫び、私の集中を打ち破った。

クレイジーだ。今、彼の存在をはっきりと認識した途端、絆までもがその近さに悲鳴を上げている。なのにその前は、まるで五感をオフにされたかのように、...

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