第八十六章

はっと目が覚めた。夢の中で炎の箱に閉じ込められていた理由がわかった。

番たちに挟まれていたのだ。それも、私が望むような形じゃなく。

「ねむりなさぁい……」私の思考が伝わると、ライラが眠たそうに呟いた。

でも、ローラはぱっちり目を覚ましていて、彼女の綺麗な空間でストレスボールを放り投げて遊んでいた。

彼女も私たちの一部ではあるけれど、どちらかというと拡張機能のような存在。突然の尿意まで、何もかも共有している私やライラとは違う。

「彼らの拘束から抜け出すなんて、せいぜい頑張って」私たちの窮状を見て、ローラがくすくす笑った。

「そっちが助けてくれてもいいんじゃない?」尿意に耐えかねてそわ...

ログインして続きを読む