第九十四章

ようやく落ち着くことができたのは、真夜中も近い頃だった。長い入浴を済ませ、ついにフォトアルバムを開く。

「本当に今それを見るの?」ライラが心配そうに尋ねた。「きっと泣かずに見終えることなんてできないわよ」

「今のうちに全部出し切ってしまった方がいいの」重い感情の波が押し寄せてくるのを感じながら、私は答えた。

「大丈夫、私たちがずっとそばにいるから」ローラが言った。彼女の支えと励ましの、柔らかなオーラがすでに感じられた。

父のことは写真で一枚見たことがあるだけで、素晴らしい人だったと聞いてはいた。

一枚の写真の中で、父と母が浜辺で手をつなぎ、微笑み合っている姿は、私の心を想像もしたこと...

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