第107章

「用か?」篠は立ち上がり、ドア口に立つ朝戸冬香を見た。

「場所、変えて話さない?」

二人は近くのカフェに入った。席に腰を下ろすなり、篠は薄く笑って朝戸冬香を一瞥する。

「朝戸さん、わざわざ私に会いに来たってわけ?」

「そこまでじゃない。でも、せっかく会えたし……不二さんと少し話したくて」

「何を? 悠が私をハメようとしてる話?」

篠が口が早くて、出だしからいきなり核心を突くタイプだということは、朝戸冬香も承知している。だから驚きもしない。

朝戸冬香はグラスを持ち上げ、水をひと口含んだ。

「不二さん、まだ知らないでしょ?」

篠は眉を上げ、続きを促す。

ところが朝戸冬香は急が...

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