第113章

不二家のリビング。篠は部屋いっぱいに積まれた贈り物を見渡し、どこか既視感を覚えた。

悠にちらりと目をやる。本人は平然としていて、今日のこの光景が衝撃でも何でもないらしい。

「ほら、こっち。座りなさい」奈央が篠を横目で見て、隣の席をぽんぽんと叩いた。

篠は腹を括って腰を下ろす。

一応、礼儀として口を開いた。

「氷室先生。本日は突然お伺いしてしまい、失礼いたしました」

「失礼だよ」篠は遠慮なく言い放つ。もう社交辞令を並べる気もない。

その、まっすぐすぎて少し無作法な一言に、悠の腰を下ろす動きが空中で止まった。

眉を上げて篠を見つめる。……本当に、取り繕う気すらないのか。

氷室涼...

ログインして続きを読む