第115章

「氷室様、不二さんが三堀喜憲のところへ向かわれました」

事務所で、悠が依頼人との面談を終えたばかり。自分の執務室へ戻る間もなく、石川春から電話が入った。

男の足が、ふっと止まる。

その言葉を聞いた朝戸冬香が舌打ちする。

「ほらね。世の中、できないことなんてないのよ。やる気があるかどうか。……不二さん、わざわざぶつかりに行くくせに、あんたのところには来ない。焦ってる?」

悠は朝戸冬香を横目で見た。

「今ここでおまえをアフリカに放り込んだら、おまえは焦らないのか?」

朝戸冬香「…………」

「朝戸弁護士。忘れるな。雇い主は俺だ」

朝戸冬香「………………。だからあんた、彼女できない...

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