第19章

「周助……っ!」

悠の怒鳴り声に呼ばれるように、後ろから追いついてきた警官たちがどっと集まってきた。

周助が手下を連れてこちらへ駆けてくるのが見えた瞬間、悠は自分のトレンチコートを脱ぎ、腰が抜けたように固まっている篠の肩にばさりとかける。

肌が見えないように――それだけのために。

いつもなら、篠はきっとヘラヘラと媚びたはずだ。

けれど今日は違った。悠が、怖かった。

振り上げて、振り下ろす。

その一連の動きのあいだに、男の肩から血が噴いた。迷いのない速さ。容赦のない精度。抵抗の余地すら与えない。

――この男、本当に噂どおりなのか。

裏も表も通じる、黒も白も喰う男。トップ弁護士...

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