第20章

「ネットで見たけど、あの人ほんとに台詞回しが強いんだな。人を罵るときでさえ、息継ぎひとつしない」

「吉田先生、さっきの男の人って誰ですか? めちゃくちゃ格好よくないですか? しかも紳士的だし」

吉田薫「…………」

「篠――――」

梨乃が連絡を受けて駆けつけたときには、篠はもう完全にへばっていた。

「どこやったの?」

気が気じゃない様子であちこち確かめる梨乃に、悠はその大げさぶりを見て、ひと言だけ投げた。

「足」

梨乃は思いきり息を吐いた。

「よかった、顔じゃなくて。あんた、お父さんの遺産が入らないうえに顔まで潰れて芝居もできなくなったら、ほんとに食べていけなくなるんだから」...

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