第21章

悠一は、華という姓を耳にした瞬間、無意識に篠のことだと思った。

だが、本人が目の前まで来て初めて、相手が直樹だと気づく。

「不二様、これは?」

「氷室弁護士と提携の話をしに来た」

 直樹は椅子の背にもたれ、勝ちを確信したような顔で悠を見た。

 悠がわずかに眉を上げると、直樹も回りくどいことはせず、スマホを取り出して悠の前に置いた。Twitterのトップには、篠が自宅で男と夜を過ごしたという話題がトレンド入りしている。

「氷室弁護士、篠とは決裂したんだろう?」

「篠みたいな甘やかされて育ったお嬢様と付き合うのは、骨が折れるはずだ」

「どうしても依頼を一件引き受けるつもりなら、俺...

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