第39章

疑いの声がいくら重なろうと、篠は意にも介さない。

監督の演出を最後まで聞き終えると、所定の位置へ。ふっと息を整え、感情を仕込む。

「……はい、スタート」

合図と同時にカメラが回る。

篠は曲がり角から全力で駆け込んだ。大殿の門前に差しかかった瞬間、目の前の光景に足がもつれ、よろめく。膝から崩れ落ち、そのまま揺らぐ体を無理やり起こした。床に転がる死体を見た途端、恐怖が喉を締めつけ、胸の奥が砕けていく。

次いで襲う、絶望。

声にならない涙が、灰になった瞳からはじけ飛んだ……。

「カット……」

監督の声が落ちた瞬間、篠はすっと情を引っ込める。そこにいたのは、冷たい仮面をまとった、近寄...

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