第44章

救急処置室。

カーテンの外では、篠が落ち着きなく行ったり来たりしていた。

「篠、先生も言ってたでしょ。急所には当たってないって。そんなに焦らないで」

篠は申し訳なさそうにアシスタントを見つめた。目はうっすら赤く、何か言いたげに唇を開きかけては、また飲み込む。

心配が募りすぎて、言葉にならない――まさにそんなふうだった。

シャッ――とカーテンが開く。

真っ先に駆け寄ったのは篠だった。

「先生、どうですか?」

「肩甲骨が折れています。整復が必要ですので、これから手術室を手配します。ご家族の方はいらっしゃいますか。署名をお願いします」

……。

篠は必死に芝居を続けていた。

ど...

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