第63章

人の算段なんて、結局は天の気まぐれに負ける。篠は撮影隊に合流して二日目で、あっさり体調を崩した。

高熱のまま撮影に出て――そのまま現場で倒れた。

救急搬送。行き先は病院。

ロケ地から帝都までは車で二時間半。

梨乃から電話を受けた行広睦子は、思わず「は?」と声を漏らした。

「悠ってやつ、ほんと呪われろ。前世で刺されて死んでんじゃないの」

「おまえ何言ってんの? 酒飲むのはいいけど、いきなり誰の悪口だよ」

今日は業界の連中が集まる飲み会だった。悟も行広睦子も同席している。

梨乃の電話を取った瞬間、行広睦子は堪えきれず、ガタンと立ち上がった。スマホを握りしめたまま、悠の先祖代々にま...

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