第64章

「……あんた、わざと私を引き離して、あの二人に“仲良くする時間”でも作ってやったわけ?」

廊下で、行広睦子は吉田薫の手を乱暴に振りほどいた。

そのまま病室へ向かおうとして、吐き捨てる。

「悠みたいな腹黒に、うちの子を好き勝手させるわけにいかない。あんな男、犬に投げても犬だって食べないわよ」

行広が行ってしまうと見て、吉田はすぐ追いかけて腕をつかんだ。

「行広さん、それは違うよ。俺だって篠の味方だ。篠のファンだし。女の子の日にむせるのは、軽く済むこともあるけど、ひどいと肺に入って炎症起こす。男より身体が大事。まず先生に聞こう」

「悠を中でちょっと待たせたくらいで何が起きるのよ。子ど...

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