第65章

この役立たず、まだ自分に電話をかけてくる度胸があったの?

和也はあの女と浮気して、父親を怒らせて――そのせいで、父は今も意識が戻らない。

それでいて、いまさら私に電話?

「なに? 戻ってきて死にたいの?」

和也は向こうで、頼みごとをするんだから丁寧に話そう、と腹をくくっていたはずだった。なのに、通話がつながった瞬間、篠の一言で床に叩きつけられた気分になる。

「篠、どうしたら藤原美緒を放してくれる?」

篠は眉をつり上げた。

「藤原さん、お願いの仕方がずいぶん個性的じゃない。なに? 不二家の人間は、藤原家に好き放題いじめられて当然ってわけ? あんた、私の目の前に出てくるなよ。もし捕...

ログインして続きを読む