第76章

「どうして知ってるの?」悠が裏で糸を引いているなら、むしろ隠すはずだ。

「いやあ、偶然ってやつ。うちは原材料のサプライヤーでさ。親父が会議に出たとき、悠が上座に座ってるのを見たんだって。東風彰二の親父なんか、悠にペコペコ頭下げてさ。まるで命の恩人でも拝んでるみたいだったらしい」

篠「…………」

行広睦子の家は実業をやっていて、東風彰二の家とも取引がある。

となれば、話は本当だ。

篠は目の色を変え、スマホを取り出して莉々に電話をかけた。

コールの向こうで出た莉々が、楽しげな声で言う。

「お姉ちゃん」

「スピーカー?」

「うん、入れてるよ!」

「切って。話がある」

「はーい...

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