第77章

行広睦子はベッドの下に手を伸ばし、引っかけるようにして奥のものを引きずり出した。ちらりと田中を見る。

田中は気まずそうに咳払いをひとつ。

行広睦子は察して眉を上げる。「悠?」

田中は答えない。ただ、視線の逃げ方が何よりの肯定だった。

行広睦子は手の中のコンドームに目を落とす。……どれだけ派手にやったんだか。

田中は毎日、彼女のところの水回りを掃除しているのに、ベッド下のこんなものには気づかなかったらしい。

「サイズ、けっこう大きいじゃない」

行広睦子は舌打ちし、洗面所で手を洗った。

ふとした出来心で、部屋のどこかに「二人の戦果」がまだ転がっていないか確かめたくなる。

床に膝...

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