第9章

石原真奈美の視点

その後の数週間で、悠斗は変わった。以前よりずっとオープンになって、肩の力も抜けてきたみたいだった。職場のデスクに私の写真を飾るようにもなった。会社の同僚たちはすぐにそれに気づいた。

ある日、私がお昼ご飯を届けに行くと、彼の秘書さんが秘密を共有するかのようににっこりと笑いかけてきた。「社長は、真奈美さんのこと、いつも話してるんですよ。なんだか、すごく可愛らしいんです」

「やめろよ」悠斗はそう言ったけれど、耳は真っ赤だった。

「会社の人に、私が恋人ですって公言してるようなものだね」二人きりになった社長室で私は言った。

「そうだよ」彼は私をぐっと引き寄せると、誰かが...

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