第5章

池田から連絡が来たのは一週間後のことで、しかも彼の仲間からのメッセージだった。

『池田先輩があなたの名誉を守るために人と喧嘩して、今大学付属病院にいます』

『新宿区の地下格闘場で、あなたの悪口を言っている奴がいるのを聞いて、そのまま殴りかかったそうです』

『かなりの重傷で、医者によると数日は入院が必要かもしれないとのことです』

『葵先輩、一度来ていただけませんか? 先輩、眠っている間もずっとあなたの名前を呼んでいて』

スマートフォンの画面で点滅するLINEのメッセージを眺めながら、私は思わず嘲るような笑みを口元に浮かべた。

女の子の気を引くために喧嘩して怪我をするなんて、古...

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