第6章

 病室は、死んだような静けさに沈んだ。

 耳に入るのは、医療機器がときおり刻むカチ、カチという音だけ。

 最初に我に返ったのは謙介だった。腹の底から嘲笑うみたいに歯を食いしばり、警官を指さして噛みつく。

「芝居か! もっとやれよ! 瑞季からいくらもらったんだ? 警服まで着て堂々と詐欺る気か!」

「危篤だの何だのって人を呼べば、俺が翔一を突き落としたことまで許すと思ったのか? 寝言は寝て言え!」

 両親も小刻みに震えていた。母親は胸を押さえ、必死に首を振る。

「お巡りさん、何かの間違いでしょう? うちの娘は昨日まで家で元気に暴れて、物まで投げてたんです。そんな、いきなり死ぬわけ――...

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