第6章

葵視点

 婚約パーティーは完璧に進んでいた。

 人混みの中に陽介の姿を探したが、見当たらない。彼にさんざん苦しめられた後だ、この瞬間を台無しにされることだけは避けたかったので、ほっとした。

 中村夫婦をはじめ、重要な招待客は全員そろっている。

 すべてが計画通りに進んでいた。

「綺麗な」と、隣にいた拓海が静かに言った。

 完璧に着こなしたタキシード姿の彼をちらりと見る。いつの間に、こんなに格好良くなったんだろう? その思いに、自分でも驚いた。

 式は滞りなく執り行われた。拓海の手が私の手に重ねられ、私たちは正式に婚約した。

 メインのセレモニーが終わった後、別のドレスに着替え...

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