第100章

「たかが金木グループだ。あんな成金の三日天下、調べるまでもないさ」

中村哲也は自信満々にソファへ腰を下ろすと、書棚にある一つのファイル袋を指さし、石原透哉に命じて佐藤悟へ渡させた。

自分の指示に従い、大人しく動く石原透哉の姿を見て、中村哲也はこれまでにない優越感に浸った。

「その書類にあるのは金木グループの業務記録と資金の流れだ。退屈な数字の羅列に過ぎない。だが、金木グループにまつわる『物語』となると、これが遥かに面白い」

そこまで言うと、中村哲也は言葉を切った。彼は足を組み、まるで隠居した長老のように目を細めると、自分のカップを指さして石原透哉に水を汲むよう合図した。

金木グルー...

ログインして続きを読む