第103章

松本絵里にとって、今日は最高に気分の良い一日だった。

朝の出勤時、神川から噂話の件を聞かされた時は、もし佐藤悟の耳に入ったらどう釈明すべきかと肝を冷やしたが、その懸念も午前中のうちにあっさりと解決したのだ。

煩わしい流言もなくなり、仕事の上でも赤本純が難癖をつけてくることもない。本社に来て以来、松本絵里がこれほど心安らかに過ごせた日はなかっただろう。

その安堵感は単に業務上のものではなく、内側から湧き上がる心理的な開放感だった。

午後、定時を迎えるやいなや、彼女は会社を後にした。歩きながらスマートフォンを取り出し、佐藤悟への返信を打つ。

彼からは迎えに行くとLINEが入っていた。

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