第143章

「どうして急に呼び出したりしたんだ? もしかして絵里が高橋桜を連れ出したから、誰も構ってくれなくて俺を呼んだのか?」

個室に入るなり、佐藤悟は目の前の茶を手に取り、ごくごくと一気に飲み干した。

松本絵里に会社の入り口で置き去りにされた佐藤悟は、行き場をなくして仕方なく会社に戻り、中村哲也を無理やりジムに連れ込んで一汗流していた。

そこへ坂田健之から電話が入り、彼は中村哲也をジムに放置したまま、一人で会いに来たのだった。

坂田健之は自ら茶を注ぎ足し、ゆっくりとした口調で言った。

「まさか。俺はそこまで暇じゃないさ。君を呼んだのは、松本絵里のことだ」

松本絵里の話題が出た瞬間、佐藤悟...

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