第144章

佐藤悟は松本絵里にもう一本いちご飴を買ってやってから、彼女を連れてその場を離れた。

ショッピングモールを一歩出ると、目の前に広がる光景に二人は息を呑んだ。空いっぱいに雪が舞い散っている。地面はまだ白く染まっていないものの、街路樹の枝先にはすでに雪が積もり始めていた。

「雪だわ!」

松本絵里が弾んだ声で言い、そっと手を伸ばして雪の結晶を受け止める。黒い手袋に舞い降りた六角形の雪が、ゆっくりと溶けていくのを彼女は見つめていた。

「雪、好きなのか?」

佐藤悟が尋ねる。

松本絵里はこくりと頷き、目をきらきらと輝かせた。

「ええ、好きです。子供の頃、お祖母ちゃんとバラック地区に住んでいた...

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