第152章

佐藤裕也が駆け戻ってくると、まさにその光景が目に飛び込んできた。

両親を早くに亡くしている彼だが、幼すぎたため当時の記憶はほとんど残っておらず、今の松本絵里を前にしてどう振る舞えばいいのか分からなかった。

理由は分からないが、彼の胸の奥にも苦しいほどの悲しみが込み上げてきた。

医師と看護師が近づくと、松本絵里は祖母の傍らから身を起こした。医師が祖母の体から管や医療機器を外していくのを、彼女は静かに見つめている。祖母の寝顔は安らかで、肌の血色も良く、まるで死を迎えたとは思えないほどだった。

看護師からお婆さんを霊安室へ移すと告げられ、松本絵里はこくりと頷いた。スタッフがストレッチャーを...

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