第157章

「運が良かったんですよ」

佐藤悟は微笑みを浮かべて言った。

「たまたま、ある方からいただきましてね。それで馬場さん、まだお帰りになられますか?」

そう言い残すと、彼は上座に戻って腰を下ろし、片手でそのファイル袋をポンポンと叩いた。

馬場は顔を険しく歪ませて目まぐるしく表情を変え、ドアの前にしばらく立ち尽くしていたが、やがて無言で席に戻るなり、ドカッと腰を下ろして口を閉ざした。

隣に座っていた村上が尋ねる。

「馬場、会長のところへは行かないのか?」

馬場は彼をジロリと睨みつけ、吐き捨てるように言った。

「行くわけないだろう。耳が聞こえんのか?悟社長が言ったじゃないか、会長はご高...

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