第162章

「お兄ちゃん、おばあちゃんがご飯持ってきてくれたよ。先にお兄ちゃんが食べて」

少女が包子を差し出す。

少年はちらりとそれを見て、首を横に振った。

真っ黒に焦げた包子が、小さな手にぎゅっと握られている。それを見ただけで、まるで食欲が湧かない。

それに、物心ついたころから祖父に言われてきた。知らない人からもらったものは食べるなと。どれだけお腹がぐうぐう鳴っても、我慢するようにと。

「お兄ちゃん、もう暗いよ。お家に帰らないの?あの人たちが怖いなら、私が路地の入口まで行って、お兄ちゃんの家に電話かけてきてあげようか。迎えにきてもらえるように」

少女は包子を二、三口でたいらげると、心配そう...

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