第171章

突然、佐藤悟に抱き上げられ、その唐突な浮遊感に松本絵里は思わず小さな悲鳴を上げた。

「あなた、降ろして。ここは本家なのよ、誰かに見られたらどうするの」

絵里は腕の中で身をよじらせながら訴えた。

佐藤悟は彼女の腰の柔らかい肉を軽くつねり、低い声で囁いた。

「いい子だ、暴れるな。誰にも見られやしないさ」

彼女を抱きかかえたまま、少年時代を過ごした自室へと向かう。ふと、時空のしがらみを飛び越えて、あの頃のあどけないお転婆娘を家に連れ帰ってきたかのような錯覚に陥った。自分の腕の中で、あのお嬢さんが少しずつ成長し、今の姿になったのだと。

彼女をベッドに横たえた瞬間、彼は自分の人生が今、この...

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