第18章

佐藤本社。

朝早く、中村哲也がオフィスに入ると、驚愕した。

彼のデスクの後ろに、堂々と座っている人物がいた。

誰だか分かった途端、驚きと喜びが入り混じった。「若旦那じゃないですか!どうして会社にお越しになったんですか?」

佐藤悟はペンを手で弄びながら、皮肉な笑みを浮かべて問い返した。「なんだ?俺が来ちゃいけないのか?なら帰るぞ」

そう言って、立ち上がって出て行こうとした。

普段なら中村哲也が招いても来てくれないような人物が、今日は招かれもしないのに来たのだから、このまま帰らせるわけにはいかない。

中村哲也は急いで近づき、彼を椅子に押し戻しながら焦って言った。

「もちろんいらっ...

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