第182章

佐藤悟が出かけようとしたちょうどその時、中村哲也が相談事を持ってやって来た。

佐藤悟はジャケットに袖を通しながら口を開いた。

「絵里が映画村の現場に行くんだ。彼女一人じゃ心配だから、俺も一緒に行くつもりだ」

「部署の人間が同行するはずだろ」中村哲也が返す。「外回りは最低でも二人一組が原則だ」

「あいつらが頼りになるなら、この前の二回みたいな騒ぎは起きてない。俺がついて行って、現場の状況を直接確かめてくる」言い残し、佐藤悟は外へ向かおうとする。

「悟、早まるな。よく考えろ!」中村哲也は引き止める。「お前が彼女と一緒に現場に行けば、二人の関係を会社中に言いふらすようなもんだぞ。それが彼...

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