第187章

「ほう? 俺も都合のいい道具扱いってわけか」

坂田健之は片眉を吊り上げ、訝しげに彼女を見つめた。

羽鳥空見は仕方なさそうに笑い、小さくため息をついてから口を開いた。

「どうしてなのか分からないけれど、みんな私が佐藤悟のことを引きずっていると思っているの。厳密に言えば、私たちは初恋とすら呼べない関係よ。ただ、周りがお似合いだってもてはやすから、幼馴染の延長で付き合い始めただけ。二人の本当の関係なんて、赤裸々に言えば、全裸で向かい合ったって微塵も欲情しないレベルなのよ。それなのに、未だに未練があるってみんな思っている。私の父や、彼の奥さんも含めてね。だから、お見合いを受けて、私がもう彼を吹...

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