第192章

「羽鳥お嬢様、迎えが来ましたので、私はこれで失礼します」

松本絵里はそう告げた。

「何を急いでるの? 私の車はまだよ」

羽鳥空見は松本絵里にそう言い放つと、今度は森へと視線を向ける。

「奥さんをドライブに連れて行くわ。チクったら承知しないからね。私のやり方、知らないわけじゃないでしょ?」

森は不安げに松本絵里をちらりと見た。松本絵里は彼を慰めるように微笑む。

「大丈夫です、先に戻ってください。私は羽鳥お嬢様とここにいますから、心配いりません」

森は首を横に振った。奥様は羽鳥空見という人間を全く理解していないが、彼自身はよく知っている。この危険な女と一緒にいるからこそ、一大事なの...

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